ドリップバッグ販売の許可を整理|自作とOEMの違い

ドリップバッグ販売に必要な許可手続きの流れ ビジネス・副業・ライフスタイル系

ドリップバッグの販売を始めたいと思ったとき、「許可って要るのかな」と手が止まりやすいです。結論からいうと、何をどこでどう作るかで手続きが変わるため、順番にほどくのが近道です。

とくに混乱しやすいのが、「営業許可」「営業届出」「食品衛生責任者」「食品表示」「ネット販売の表示」などが同時に出てくる点です。これは、コーヒーそのものの安全性だけでなく、作る場所と売り方まで見られるからです。

この記事では、保健所に相談するときに話が早くなる整理のしかたと、自作とOEMで変わる責任範囲、そして販売チャネル別の注意点を、初心者でも迷いにくい形でまとめます。

ドリップバッグ 販売 許可を最短で整理する考え方

最初にやると楽なのは、手続きの名前を暗記するより「自分のやりたい形」を分類することです。

ここを押さえると、保健所での相談も質問がはっきりして、必要な準備が見えやすくなります。

「許可・届出・資格」を分けると迷いが減る

「許可が必要ですか」と一言で聞くと、実は答えが分かれます。なぜなら、食品の世界では、営業許可と営業届出は別物で、さらに人にひもづく資格(食品衛生責任者など)も別にあるからです。

イメージとしては、許可や届出は「場所と仕事の種類」、資格は「責任者を置けるか」です。まずは自分が、製造や小分けをするのか、仕入れ品をそのまま売るのかを分けて考えると、話がぐっと整理できます。

自分で詰めるか、委託で作るかで手続きが変わる

ドリップバッグは、粉をフィルターに詰めて個包装し、さらに外袋に入れることが多いです。ここを自分の作業場でやるなら、設備や衛生管理の見られ方が強くなります。なぜなら「製造」に近い行為になるためです。

一方で、OEM(受託製造)で完成品を作ってもらい、自分は販売だけに寄せる方法もあります。この場合でも、表示や販売の責任がゼロになるわけではありませんが、製造設備を自前で整える負担は減らしやすいです。

「密封包装」や「小分け」に当たるかが分岐点

保健所でよく確認されるのが、密封包装(袋などを密閉して流通させる形)や小分け(大きな袋から別容器へ詰め替える行為)に当たるかどうかです。ここで必要な手続きが分かれることがあります。

実際、密封包装食品製造業の扱いは制度の見直しが続いており、対象食品の整理も公表されています。つまり、同じ「コーヒーを売る」でも、作業内容が変わるとルールも変わり得るため、作業工程を言葉にしておくのが大切です。

イベント販売やネット販売は追加ルールが乗る

対面で少量販売するのと、ネットで全国に送るのでは、必要な備えが変わります。なぜなら、ネット販売は購入前の情報提供が重要になり、返品や送料などの表示ルールが求められるからです。

また、イベントやマルシェでは会場側の取り決めや、自治体の臨時的な扱いが関係することがあります。販売場所が変わるほど条件が動きやすいので、「いつ・どこで・誰に・どんな状態で渡すか」を先に決めると迷いが減ります。

最初に書き出すと早い4点
1) 自作かOEMか
2) 粉の詰め替えや個包装を自分でやるか
3) 店頭・イベント・ネットのどれで売るか
4) 保管と発送をどうするか

ここまで決めた上で保健所に相談すると、「その形ならこの手続き」と話が進みやすくなります。

なお、同じコーヒーでも自治体の指導の細部は違うことがあるので、最後は管轄の窓口で確認するのが確実です。

  • 「許可・届出・資格」を別物として整理する
  • 自作かOEMかで責任範囲と準備が変わる
  • 密封包装や小分けに当たるかが分岐点になる
  • 販売場所や販売方法で追加の表示ルールが乗る

まず確認したい手続きの種類と相談先

前のセクションで全体の分け方が見えたところで、次は「どこに何を相談するか」を具体化します。

結局ここが固まると、準備にかける時間と手戻りが減りやすいです。

保健所で見るのは「営業許可」より先に業態分類

多くのケースで最初の相談先は保健所です。ただし相談の入り口は「許可ください」より、「この作業をこの場所でやりたいのですが、業態としてどれに当たりますか」が通りやすいです。なぜなら、業態分類が決まらないと必要書類も決まらないからです。

例えば、焙煎や粉砕を自分で行うか、仕入れた完成品をそのまま売るかで扱いが変わります。工程を紙に書いて持っていくと、説明が短く済むことが多いです。

営業届出が必要になった背景を押さえる

コーヒー豆の販売は、制度改正により営業届出が必要になるケースが整理されました。ポイントは「製造・加工に当たる作業を行うかどうか」です。焙煎や粉砕を行う場合に届出が必要、という説明が企業の開業ガイドでも示されています。

こうした背景を知っておくと、「自分の作業は届出の対象か」を考えやすくなります。迷ったら、作業工程を見せて判断してもらうのが安全です。

食品衛生責任者は多くのケースで必要になる

食品の営業では、施設ごとに食品衛生責任者を置く考え方が基本です。講習会は1日で受講できる形が多く、食品衛生学や食品衛生法などを学びます。なぜこの仕組みがあるかというと、食品事故は「物」より「運用」で起きやすく、最低限の知識を現場に置くためです。

すでに対象資格を持っている人は講習が免除される場合もありますが、初めてなら講習受講を前提にスケジュールを組むと安心です。

開業形態で必要書類が増えることがある

もし店舗で飲食営業も行うなら、飲食店営業の許可など、別枠の手続きが必要になります。つまり「ドリップバッグ販売だけ」と「カフェもやる」では、見る法律と設備基準が増える可能性があります。

また、工房や小さな作業場を借りる場合は、建物の用途や設備の工事が絡むこともあります。書類が増えるほど後戻りが痛いので、契約前に相談する順番が大切です。

やりたいこと 最初に確認する窓口 よく一緒に出てくる論点
完成品を仕入れて販売 保健所(販売形態の確認) 表示、保管、ネット表示
粉を詰めてドリップバッグ化 保健所(業態・施設基準) 衛生管理、包装の扱い
焙煎・粉砕も自分で行う 保健所(届出の要否) 工程管理、異物混入対策
ネットで全国に販売 消費者庁ガイドも確認 特定商取引法の表示、返品

この表の「よく一緒に出てくる論点」までセットで準備すると、相談が一回で終わる確率が上がります。

特にネット販売は、食品の話とは別に表示が必要になるので、後半でまとめて整理します。

  • 保健所では「業態分類」を先に確認する
  • 焙煎・粉砕などの工程で届出が必要になり得る
  • 食品衛生責任者は施設ごとに求められやすい
  • カフェ併設など開業形態で手続きが増える

自作とOEMで変わる「製造責任」とラベル表示

手続きの入口が分かったら、次は「誰がどこまで責任を持つか」をはっきりさせます。

ここが曖昧だと、ラベルや問い合わせ対応でつまずきやすいです。

OEMは設備負担を減らせるが、丸投げはできない

ドリップバッグ販売の許可を確認する日本人男性

OEMの良さは、充填機やシーラーなどの設備、資材手配、一定の品質管理を製造側に寄せられる点です。小ロット対応の受託先もあり、試作から始めやすいことがあります。

ただし、販売者としての責任は残ります。どんな原料を使い、どんな品質で、どのロットがどこへ出たかを説明できる状態が必要です。これは、問い合わせや回収が起きたときの被害を小さくするためです。

食品表示は「一括表示」を基本に組み立てる

ドリップバッグは加工食品として扱われることが多く、基本は一括表示で必要事項をまとめます。消費者庁のガイドでは、名称、原材料名、内容量、賞味期限、保存方法、製造者など、表示項目の考え方が整理されています。

なぜこれが重要かというと、購入者は味だけでなく「いつまで」「どう保存」「どこに問い合わせ」を見て判断するからです。表示は義務であると同時に、トラブルを減らす案内板でもあります。

販売者名義と製造者名義の考え方

OEMの場合、実際に作った工場と、販売するあなたの名義が分かれることがあります。このとき、表示責任を誰が負うのかを前提に、表示の書き方を決めます。消費者庁の資料では、製造者と製造所所在地の表示例も示されています。

実務では、製造側が表示案を作ってくれることもありますが、最終的に自分の販売形態に合うかは確認が必要です。とくに問い合わせ先をどこにするかは、運用のしやすさに直結します。

賞味期限・保存方法はトラブル予防の要

ドリップバッグは水分が少ないため比較的安定しやすい一方、香りの劣化は起きやすいです。だからこそ、賞味期限の設定と保存方法の書き方が重要になります。湿気や高温を避ける理由を、購入者が理解できる言葉で書くと、味のクレームも減りやすいです。

また、外袋を開けてからの扱いも誤解が出やすいので、「開封後は早めに」などの運用ルールを明記しておくと安心です。

ラベルで最低限そろえたい視点
いつまで使えるか(期限)
どう保管するか(保存方法)
どこへ連絡するか(責任表示)

ラベルは難しい文章で書くより、購入者が台所で迷わない言葉にするのがコツです。

そのためにも、先に「どんな人がどう飲む商品か」を想定しておくと、必要な注意書きが見つけやすくなります。

  • OEMは設備負担を減らせるが販売責任は残る
  • 一括表示は「案内板」としても機能する
  • 製造者・販売者の関係を前提に表示を決める
  • 期限と保存方法はクレーム予防に直結する

販売チャネル別に増えるルールと注意点

ここまでで「作る側」の整理ができたので、次は「売る側」で増えるルールを見ます。

販売チャネルが増えるほど、表示や対応の抜け漏れが起きやすいです。

ネット販売は特定商取引法の表示が必須

ネットで販売する場合、食品表示とは別に、特定商取引法に基づく表示が求められます。消費者庁のガイドでは、事業者名、住所、電話番号、販売価格、送料、支払い方法、引渡時期、返品特約など、広告に表示すべき事項が整理されています。

なぜここまで求められるかというと、対面と違って購入前に質問しづらく、誤解がそのままトラブルになりやすいからです。表示を整えるのは、守りというより信用の土台づくりです。

マルシェや催事は「場所のルール」が効きやすい

イベント販売は、短期間でも「食品を扱う場」としての確認が入ることがあります。会場側が求める書類や、自治体の指導内容が加わることがあるため、主催者の案内を早めに読み込むのが大切です。

特に、保管温度や手洗い設備の確保など、現場の運用が焦点になることがあります。家で整っていても、現地で崩れると意味がないため、当日の動線まで想定すると安心です。

ギフト・ノベルティは表示と配布先で扱いが変わる

ギフトやノベルティは、相手がコーヒーに慣れていないことも多いです。そのため、抽出方法の簡単な説明や、アレルギー・注意事項の書き方がより重要になります。なぜなら、飲み方を間違えると味の不満や事故につながるからです。

また、企業配布では納品書類やロット管理を求められることもあります。小さな取り組みでも、後で追跡できる形にしておくと信頼が積み上がります。

クレームを減らす発送・保管の基本

ドリップバッグは割れやすい資材も多く、配送中の圧力や湿気で外袋が傷むことがあります。だから、梱包材の選び方と、保管場所のルールを決めることが大切です。夏場はとくに高温になりやすいので、直射日光を避ける表現を具体化すると親切です。

さらに、発送日とロットをひもづけておくと、問い合わせ対応が早くなります。小さな運用ですが、積み重なると負担が減ります。

販売チャネル 追加で意識したい表示・対応 つまずきやすい点
ネットショップ 特定商取引法の表示、返品特約 送料・引渡時期の書き忘れ
イベント・マルシェ 会場ルール、当日の衛生運用 手洗い・保管の動線が崩れる
委託販売 納品形態、ロット管理 在庫回転と期限管理
ギフト・ノベルティ 飲み方の説明、注意書き 相手が抽出に慣れていない

この表を元に、自分の販売チャネルだけを抜き出して準備すると、やることが絞れます。

次は、実際に動く順番をチェックリストにして、迷いにくくします。

  • ネット販売は特定商取引法の表示が必要になる
  • イベントは会場と自治体の運用ルールが加わりやすい
  • ギフトは飲み方説明と注意書きが効いてくる
  • 発送と保管はクレーム予防の中心になる

はじめてでも進めやすい準備チェックリスト

ここまでの内容を踏まえて、最後は「何から手をつけるか」を順番でまとめます。

やることを小さく切ると、途中で手が止まりにくいです。

最初の一歩は「どこで何をするか」を文章化

まずは、作業と販売を一文で書きます。例えば「仕入れた粉を自宅でドリップバッグに詰め、ネットで販売する」のようにです。なぜこれが効くかというと、手続きの判断は工程と場所に紐づくため、文章がそのまま相談材料になるからです。

頭の中だけだと抜けが出るので、紙でもメモでも構いません。工程が整理できると、OEMに切り替える判断もしやすくなります。

保健所相談で聞くとスムーズな質問の形

相談では、結論を急ぐより「自分の工程はどの業態に当たるか」「必要な手続きは許可か届出か」「施設の基準で注意すべき点は何か」をセットで聞くと進みやすいです。理由は、手続き名だけを聞くと前提がずれて、二度手間になりやすいからです。

また、図や写真があると説明が短く済みます。作業台、保管棚、梱包スペースなど、現場のイメージが伝わると判断が早くなります。

小ロット試作の段取りとコストの見方

いきなり大量に作ると、期限管理や保管スペースで詰まります。小ロットで試作し、売れ行きとクレーム傾向を見て改善するのが安全です。OEMでも小ロットから対応する事業者があり、外装フィルムや一括表示の作成を支援するケースがあります。

コストは「製造単価」だけでなく、資材、送料、梱包、人の手間を足した総額で見ます。ここを見誤ると、頑張っても利益が残りにくくなります。

販売開始後に見直す衛生と表示の運用

販売を始めた後は、表示と衛生の運用を定期的に見直します。例えば、問い合わせが増えた項目は、ラベルや商品ページに先回りして書くと負担が減ります。なぜなら、同じ質問は繰り返されやすく、先に答えがあるだけでトラブルが減るからです。

また、ロットと発送日をひもづけ、保管条件を記録する習慣を付けると、万一の対応が速くなります。小さな運用ですが、続けるほど強い仕組みになります。

具体例:準備メモを1枚作るなら、「工程の文章」「販売チャネル」「問い合わせ先」「ロット管理の方法」を同じ紙に書くと、相談や見直しが一気に楽になります。

  • 工程と場所を一文で書き、相談材料にする
  • 保健所では業態・手続き・施設基準をセットで確認
  • 小ロットで試し、総コストで採算を確認する
  • 販売後は問い合わせ傾向で表示と運用を改善する
  • ロットと発送日の管理でトラブル対応を早くする

まとめ

ドリップバッグの販売は、「許可が要るか要らないか」だけで判断しようとすると、かえって迷いやすいです。自作かOEMか、粉の詰め替えや個包装をどこで行うか、そしてどこでどう売るかを分けて考えると、必要な手続きが見えやすくなります。

表示は面倒に感じるかもしれませんが、購入者の不安を減らすための案内板でもあります。期限や保存方法、問い合わせ先を整えるだけで、トラブルの芽を早めに摘めることが多いです。

いちばん確実なのは、工程を紙にまとめて保健所に相談することです。話が早くなり、準備の優先順位もはっきりします。小さく始めて、運用しながら整えていくやり方で進めてみてください。

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